トラリピ ユロ円(EUR/JPY)最適利益幅の見つけ方 バックテストで資金効率を上げちゃうよ!

トラリピは、利益幅や注文数など細かく設定が変えられ、設定ひとつで利益率に大きく影響が出ます。

トラリピの最適設定を意識しないなんてもったいないのです!

少ない資金で最大の利益を確保するため、今すぐトラリピの設定を見直しましょう。

このページはトラリピ・ユロ円(EUR/JPY)の最適利益幅の見つけ方を解説します。

Contents

トラリピとEUR/JPYの相性、最適レンジ幅

トラリピは、一定の価格帯で値動きを繰り返す「レンジ相場」で最も高い利益率が期待できます。
まずは、運用する通貨ペア(EUR/JPY)がトラリピに向いているか確認していきましょう↓

EUR/JPY過去チャート

EUR/JPYの過去チャートを見ると、上がるときはとことん上がり、下がるときはとことん下がっていることがわかります。
この状態は「レンジ相場」とは言えませんので、トラリピには(少し)不向きな通貨ペアと言えます。

しかし、EUR/JPYのようにはっきりトレンドが出ている通貨ペアは、設定を工夫すれば、十分に利益が期待を取ることが可能です。

トレンドがしっかり出ている場合は「トレンドを追いかける戦略」、つまり、上昇トレンド時に「買い」、下降トレンド時に「売り」の注文を設定することで、利益を出すことが可能となります。

2021年5月現在、EUR/JPYは上昇トレンドとなっているため、「買い」戦略を取ります。

このようにトレンドを追いかける戦略をとる場合は、トラップを仕掛けるレンジ幅を狭くしておき、トレンドが上昇から下降に急転したとしても、含み損をたくさん抱えてしまわないよう注意すると良いでしょう。

投資家らくな

下落局面が来たら、売りトラリピに切り替えます。

EUR/JPY トラリピ最適レンジ幅

らくなは、EUR/JPYは、狭いレンジ幅で「トレンドを追いかける戦略」を取ることとします。
なお、2021年5月現在は、上昇トレンドとなっているため、「買い」設定を入れます。

トラップを設定するレンジ幅は、過去チャートを参照し、2018年の最高値、137.5円と、2019~2020年の最高値の127.5円の間とします(図・赤色部分)。

EUR/JPYレンジ幅
投資家らくな

レンジ幅をすご~く絞り、最大10円の値動き(127.5~137.5円)で利益を追いかけます!

トラリピEUR/JPY 最適利益幅

トラリピ 利益幅とATR

EUR/JPYの戦略:「トレンドを追いかける」が決まったところで、いよいよ「最適利益幅」を検討します。

トラリピの最適利益幅を検討するには、公式サイトで案内されている「ATR」が最初の手掛かりになります。

ATRとは、「Average True Range(アベレージ・トゥルー・レンジ)」の頭文字で、その銘柄が1日に平均的にどれだけ動くかを表した指標です。

ATR値が大きいほど、1日の値動きが大きい=トレンドが発生していると読み取ることができます。

投資家らくな

トラリピ公式サイトでは、過去6カ月間のATRを参考にした設定が例示されています

なお、ATRはプラスの動きも、マイナスの動きも全てひっくるめて算出されるため、最適な利益幅を示す指標いうわけではありません(あくまで価格変動を知るための指標にすぎません)。

トラリピの「最適利益幅」を探るには、バックテストも参照する必要があります。

  • ATRは1日の値動きの平均値
  • ATRで利益幅を設定すると、理論上、1日1回決済される
  • ATRはプラス・マイナス両方の動きを反映した値のため、資金効率を最大にする利益幅にはならない
  • トラリピの最適利益幅を探るにはバックテストが必要

トラリピEUR/JPY 最適利益幅とバックテスト

EUR/JPYバックテスト 対象期間

EUR/JPYは、過去5年間を対象にバックテストを行うこととします。

バックテストツールは「働きたくないガチ勢」のアビさんにお借りしました。

EUR/JPY 最適利益幅バックテスト結果

利益幅のバックテスト結果、EUR/JPYの利益幅は「1,200円(0.1万通貨注文、利幅1,200円)」が最も資金効率が良かったものの、利益幅の変更による利益率の大幅な改善はありませんでした。

次の表は、利益幅1,000円の設定(0.1万通貨注文、利幅1,000円)を基準値とし、利益幅が最大となる設定(0.1万通貨注文、利幅1,200円)と比較したものです。

項目基準値最適利益幅
トラップ幅127.5~137.5円127.5~137.5円
トラップ本数101本(0.1円間隔)101本(0.1円間隔)
注文通貨数0.1万通貨0.1万通貨
利益幅1,000円(0.1万通貨で利益1,000円)1,200円(0.1万通貨で利益1,200円)
決済回数580回489回
実現利益(5年分)580,000円586.800円
含み損(MAX)▲1,774,179円▲1,774,179円
必要資金(MAX)2,298,483円2,298,483円
利益率5.05%4.11%
トラリピ EUR/JPYバックテスト 利益幅
投資家らくな

EUR/JPYは、利益幅の変更による大幅なメリットがありませんでした…。

EUR/JPY ATRとマイナススワップ

利益幅の検討で、気になるのは「スワップ(≒金利)」です。

EUR/JPYの「買い」設定では、ユーロと円の金利差により「マイナス」スワップが発生するため、保有している日数に応じたスワップを支払う事になります。

EUR/JPY スワップカレンダー(抜粋)

トラリピ公式より、スワップカレンダーを確認すると、「決済」が「注文」日の翌日以降となった場合は、1万通貨当たり約63円のスワップを支払うことがわかります。

注文と決済が当日であれば、スワップは発生しません。つまり、日々決済してしまえばスワップを支払わなくていいのです。

そこで、ふたたびATRに注目してみます↓

EUR/JPY過去チャートとATR

画面下半分に1日ごとのATRが表示されています。
今年に入ってから、EUR/JPYは、平均的に0.8円/日の値動きをしています。

EUR/JPYの通貨ペアに限っては、利益幅による資金効率に差がありませんから、バックテストの結果をそのまま適用する必要はありません。
1日以内に決済し、マイナススワップを支払わなくて済む「800円」という利益幅も視野に入れておきましょう。

トラリピ 利益幅とスプレッド

FXでは、スワップ(≒金利)の他、スプレッドと呼ばれる手数料も発生します。
スプレッドは、取引回数、取引規模に応じて発生します。

この章では、スワップとスプレッドのバランスが取れる利益幅を検証することとします。

スプレッド手数料とは

スプレッド手数料とは、売値と買値の差額で、取引の度に発生します。
トラリピの「CSV出力」機能では確認できませんが、注文取引・決済取引の度にスプレッド手数料を支払っています。

トラリピでEUR/JPYの取引をする場合、1回につき約0.03~0.05円がスプレッド手数料として差し引かれます(スプレッドは時価のため、取引の勢いによって増えたり、減ったりします。)。

利益幅を増やすと、副効果として決済回数が減り、スプレッド手数料の発生タイミングを減らすことができます

利益幅を増やすことは、利益の最大化とともに、スプレッド手数料を押さえることにもつながり、一石二鳥です。

トラリピのスプレッド手数料

上図の場合、スプレッド手数料は約5銭(0.05円)です。
0.1万通貨(1,000通貨)で取引をする場合、約50円の手数料を支払う計算になります(0.07円×1,000通貨=50円)。

トラリピで利益を出すには「新規」と「決済」の2回の注文が必要となります。どちらのタイミングでもスプレッド手数料が発生するため、50円×2回=約100円をスプレッド手数料として支払うことになります。

スプレッドと取引数量、利益幅の関係

1回の取引で必要となるスプレッド手数料は、次の計算式で求められます。

スプレッド手数料=「売値と買値の差額」×「注文数量」

投資家らくな

利益幅は、スプレッド手数料を気にせずガンガン増やせます

一方、「注文数量」を増やせば、スプレッド手数料も比例して増加します。
例えば、注文数量を0.1万通貨から0.3万通貨に増やせば、スプレッド手数料も増えてしまいます。

トラップ数を減らせば、スプレッド手数料の発生タイミングを減らすことができますが、注文数量を増やさなければ資金効率が悪化してしまいます。
トラップ数の削減は、注文数量の増加とセットの戦略になりますが、この戦略では、スプレッドを減らす効果はありません。

つまり、「決済回数を減らして、スプレッド手数料を抑える」とは、トラップ数を減らす(=1回の注文数量を増やす)ことでは達成できず、利益幅を増やし、決済回数を減らすことが正解となります。

  • トラリピは、注文が成立する都度、スプレッド手数料が発生する。
  • トラリピの利益幅を増やしても、スプレッド手数料は増えない
  • 注文回数を減らせば、スプレッド手数料を抑えることができる。
    • 注文回数を減らしても、注文数量を増やせば、スプレッド手数料は減らせない。
    • スプレッド手数料を抑えるためには、注文数量を減らすのではなく、利益幅を増やし、決済回数を減らすことが正解となる。
投資家らくな

決済回数を減らせば、スプレッドを減らすことができます!

EUR/JPY スプレッド・マイナススワップ比較 コストを下げるには?

トラリピの利益幅について、マイナススワップとスプレッド、よりコストがかからない設定について考えていきます。

利益幅利幅800円利幅1,200円
スプレッド・決済回数多・スプレッド大
・決済713回×スプレッド100円=71,300
・決済回数少・スプレッド少
・決済489回×スプレッド100円=48,900円
(22,400円お得)
スワップ・即日決済
→マイナススワップ少
・スワップ6円/日×決済713回×1日=4,278円
(1,590円お得)
・決済まで日数がかかる
→マイナススワップ大
・スワップ6円/日×決済489回×2日=5,868円
スワップとスプレッドの比較

スプレッド(手数料)とスワップ(金利)を比較すると、スプレッドの負担の方が大きいことがわかります。

マイナススワップを支払っても、利益幅を広めに設定し(=決済回数を減らす)、スプレッドの支払い機会を減らすほうが、よりコストを抑えられるのです。

投資家らくな

ここだけの話ですが、マネパの「連続予約注文」を使えば、スプレッドはさらに1/10に抑えられます。

トラリピEUR/JPY 最適利益幅と今後の戦略

トラリピ EUR/JPY 最適利益幅の設定

過去チャートを参照した、EUR/JPYの最適利益幅は、1,200円(0.1万通貨で利益1,200円)でしたが、これは、過去チャートを参照した数値です。

為替の値動きは、年々縮小傾向となっているため、今後のトラリピは、少し控えめに、ATRを基準として700円の利益幅で注文することとします。

  • レンジ幅:127.5~136.5円
  • 買い
  • 利益幅:700円

トラリピの最適設定は次の画像のとおりです。

EUR/JPY トラリピ設定

トラリピ EUR/JPY 最適利益幅設定の検証

EUR/JPYは、利益幅700円で運用することとします。

EUR/JPYの買い設定は、マイナススワップがあり、プラススワップ運用をしている他の通貨ペアよりもコストがかかってしまいます。
そのため、スプレッド(手数料)がトラリピよりも少ないマネーパートナーズ(マネパ)の「連続予約注文」で検証を行いたいと思います。

下落トレンドが現れたら運用を停止し、プラススワップ運用である買い設定に切り替える予定です。

投資家らくな

マイナススワップが多いため、利益幅をATRに近い数値でこまめに設定を見直します

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